実際には、このプログラムは実用的ではありません。ファイルを 開くのにわざわざドラッグして持ってくるより、そのファイルを ダブルクリック(またはクリック)すれば事足ります(笑)。 しかし、まあドラッグ・アンド・ドロップの解説のためこのような プログラムを作ります。特別な知識は必要ありません。
これで、ファイルをドロップするのを許可するかどうか指定します。 許可すると指定されたウィンドウにファイルがドロップされると そのウィンドウにWM_DROPFILESメッセージが来ます。VOID DragAcceptFiles( HWND hWnd, // 登録するウィンドウ BOOL fAccept // アクセプトオプション );
プロシージャでWM_DROPFILESメッセージを捕まえたらWPARAMを調べて DROP構造体のハンドルを取得します。さて、VC++5.0のヘルプを見るとWM_DROPFILES hDrop = (HDROP) wParam; // 内部のDROP構造体へのハンドル
DECLARE_HANDLE(HDROP);
と定義されています。DECLARE_HANDLEって何だ?と思われるかもしれませんが これは
#define DECLARE_HANDLE(x) typedef WORD x
というマクロになっています。結局単にWORDの値です。
さて、WM_DROPFILESメッセージを捕まえたあとドロップされた ファイルについての情報を知る必要があります。
ドロップされたファイルの個数を知るにはiFileを0xFFFFFFFFにします。 そうするとこの関数がドロップされたファイルの個数を返します。UINT DragQueryFile( HDROP hDrop,// WM_DROPFILESのwParamの値 UINT iFile, // 問い合わせるファイルのインデックス(0から) LPTSTR lpszFile, // ファイル名を入れるバッファ UINT cch // バッファのサイズ );
また、iFileを0からドロップされたファイルの個数−1の間で指定すると そのファイルのファイル名がlpszFileに格納されます。
ファイル名がわかればあとは、好きなようにプログラムすればよいですね。
hDropを使い終わったらメモリから解放します。VOID DragFinish( HDROP hDrop // 解放するhDrop );
「ファイル」「開く」を選択すると前章同様のダイアログボックスが出て ここから、開くファイルを選択します。直接ファイルをこのウィンドウに ドラッグ・アンド・ドロップしても開けます。
また、あんまり関係ないですが気分転換の意味でアイコンをWindowsの旗
にしてみました。
今回はメニューも単純にしました。// shex02.rcの一部 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////// // // Menu // MYMENU MENU DISCARDABLE BEGIN POPUP "ファイル(&F)" BEGIN MENUITEM "開く(&O)", IDM_OPEN MENUITEM "終了(&X)", IDM_END END END
いつもと同じですが、自作関数のOpenFの引数が前章よりも少なくなりました。// shex02.cpp #define STRICT #include <windows.h> #include "resource.h" LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM); BOOL InitApp(HINSTANCE); BOOL InitInstance(HINSTANCE, int); void OpenF(HWND); char szClassName[] = "shex02"; //ウィンドウクラス int WINAPI WinMain(HINSTANCE hCurInst, HINSTANCE hPrevInst, LPSTR lpsCmdLine, int nCmdShow) { MSG msg; if (!InitApp(hCurInst)) return FALSE; if (!InitInstance(hCurInst, nCmdShow)) return FALSE; while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0)) { TranslateMessage(&msg); DispatchMessage(&msg); } return msg.wParam; }
いつもとほぼ同じですがアイコンをIDI_WINLOGOにしてみました。 (深い意味はありません)//ウィンドウ・クラスの登録 BOOL InitApp(HINSTANCE hInst) { WNDCLASSEX wc; wc.cbSize = sizeof(WNDCLASSEX); wc.style = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW; wc.lpfnWndProc = WndProc; //プロシージャ名 wc.cbClsExtra = 0; wc.cbWndExtra = 0; wc.hInstance = hInst; //インスタンス wc.hIcon = LoadIcon(NULL, IDI_WINLOGO); wc.hCursor = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW); wc.hbrBackground = (HBRUSH)GetStockObject(WHITE_BRUSH); wc.lpszMenuName = "MYMENU"; //メニュー名 wc.lpszClassName = (LPCSTR)szClassName; wc.hIconSm = LoadIcon(NULL, IDI_WINLOGO); return (RegisterClassEx(&wc)); }
いつもと同じです。//ウィンドウの生成 BOOL InitInstance(HINSTANCE hInst, int nCmdShow) { HWND hWnd; hWnd = CreateWindow(szClassName, "猫でもわかるD&D",//タイトルバーにこの名前が表示されます WS_OVERLAPPEDWINDOW, //ウィンドウの種類 CW_USEDEFAULT, //X座標 CW_USEDEFAULT, //Y座標 270, //幅 160, //高さ NULL, //親ウィンドウのハンドル、親を作るときはNULL NULL, //メニューハンドル、クラスメニューを使うときはNULL hInst, //インスタンスハンドル NULL); if (!hWnd) return FALSE; ShowWindow(hWnd, nCmdShow); UpdateWindow(hWnd); return TRUE; }
ウィンドウができたらすぐにDragAcceptFiles関数でファイルのドロップを 許可します。//ウィンドウプロシージャ LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT msg, WPARAM wp, LPARAM lp) { int id, i; HDROP hDrop; UINT uFileNo; char szFileName[256]; switch (msg) { case WM_CREATE: DragAcceptFiles(hWnd, TRUE); break; case WM_DROPFILES: hDrop = (HDROP)wp; uFileNo = DragQueryFile((HDROP)wp, 0xFFFFFFFF, NULL, 0); for(i = 0; i < (int)uFileNo; i++) { DragQueryFile(hDrop, i, szFileName, sizeof(szFileName)); if(ShellExecute(hWnd, NULL, szFileName, NULL, NULL, SW_SHOWNORMAL) <= (HINSTANCE)32) MessageBox(hWnd, "ファイルを開けませんでした", "失敗", MB_OK); } DragFinish(hDrop); break; case WM_COMMAND: switch (LOWORD(wp)) { case IDM_END: SendMessage(hWnd, WM_CLOSE, 0, 0); break; case IDM_OPEN: OpenF(hWnd); break; } break; case WM_CLOSE: id = MessageBox(hWnd, (LPCSTR)"終了してもよいですか", (LPCSTR)"終了確認", MB_YESNO | MB_ICONQUESTION); if (id == IDYES) { DestroyWindow(hWnd); } break; case WM_DESTROY: PostQuitMessage(0); break; default: return (DefWindowProc(hWnd, msg, wp, lp)); } return 0L; }
WM_DROPFILESが来たら、まず落とされたファイルの数を調べます。
これは、DragQueryFile関数の第2引数を0xFFFFFFFFにする事でわかります。
落とされたファイルの個数がわかったらその個数分ループを作って
ファイル名を調べます。ここではファイル名を調べてShellExecute関数を
実行しています。
やりたいことが終わったらDragFinishでhDropを解放します。
この関数も前回より少し簡略化しています。void OpenF(HWND hWnd) { OPENFILENAME ofn; char szFileName[64]; char szFile[MAX_PATH]; memset(&ofn, 0, sizeof(OPENFILENAME)); ofn.lStructSize = sizeof(OPENFILENAME); ofn.hwndOwner = hWnd; ofn.lpstrFilter = "All files(*.*)\0*.*\0\0"; ofn.lpstrFile = szFileName; ofn.lpstrFileTitle = szFile; ofn.nMaxFile = MAX_PATH; ofn.Flags = OFN_FILEMUSTEXIST | OFN_HIDEREADONLY; ofn.lpstrTitle = "実行したいファイルを選択"; if(GetOpenFileName(&ofn) == 0) return; if(ShellExecute(hWnd, NULL, szFile, NULL, NULL, SW_SHOWNORMAL) <= (HINSTANCE)32) MessageBox(hWnd, "実行に失敗しました", "失敗", MB_OK); return; }
Update Feb/02/1998 By Y.Kumei